ハンス・ノルの話 2016/8/23

今日あれです、デザイナーの話を書こうと思って誰にしようかなと考えていたのですが、ハンス・ノルさんを書くことにしました。思いついたので。
デザイナーじゃないっていう。

Knollをノールではなくノルと表現してますので、人名もノルで統一しますね。


カメラで直撮り本を
Hans G. Knoll (ハンス・G・ノル)
1914 - 1955

1914年に彼はドイツのシュッツガルトで生まれました。

その彼のストーリーを書くには、Knoll家について説明をしないといけません。

彼の祖父ウィルヘルム・ノルさんはシュッツガルトで家具工場を経営していました。
ウィッテンベルグ王家の皮革・工芸品ご用達の商人で、大変に豊かな時代も相まってギリシャ詩集を楽しみ、人道主義を教育理念とする豊かな紳士であったそうです。

その息子、つまりハンスさんの父であるウォルター・C・ノルさんはKnoll家の家訓である、子供たちは、一人で外国に行き勉学と仕事を経験して自力で一人前になる。ということにならい、1897年の23歳で渡米し輸入会社に勤務し、その後1901年から皮革を加工する機械の輸入会社を経営したそうです。
1907年にウィルヘルムさんが亡くなり、弟のウィリー・ノルさんとともに、ウィルヘルムさんの会社を引き継ぎ成功させます。
1925年にウィルヘルムさんから引き継いだ会社は弟のウィリーさんに任せ、54歳になったウォルターさんは「WALLTER KNOLL」社を設立します。

あのウォルターノル社ですよ。知らなかった人けっこういるんじゃないかと思います。


そんな家系ですので、ハンスさんも独立心に富んでおり一人イギリス、スイスと留学をし、イギリスではデザイン会社を創立したそうです。

1937年 渡米。

1938年 ニューヨーク72番ストリートに「Hans G. Knoll Furniture Company」を創立します。
彼はそこを"Factory No.1"と名づけました。
最初の仕事は、ドイツから持ってきた椅子を制作したことみたいです。

最初単純なデザインで価格も廉価なものを中心に製造販売していました。
しかし、多くの別会社にデザインが盗用されるようになったため、単純さを敬遠し、凝ったデザインに、高価格、模倣の難しい家具を製作するようになっていきました。
それが現在のKnoll社を形成していますね。
 
1941年 ペンシルバニアに製造工場を購入します。そして、ジェンス・リゾムさんと出会い一緒に仕事をします。
1942年にはKnoll社のカタログが初めて発行され、広告にはRisom Chairが使われました。

1943年 フローレンス・シュスト(シュー)さんを仕事を依頼し、彼の会社に雇います。

1946年 フローレンスさんと結婚します。フローレンス・ノルになったわけです。

会社自体はここから急速に多くのデザイナーとコラボレーションし、過去の家具作品を復刻したりと大きな発展を遂げます。
1955年には世界8か国にショールームがあり、工場を3つも持つほどになっています。

しかし。

その1955年 41歳の若さで彼はキューバで自動車事故によりこの世を去ります。


ハンスさんは実業家でありセールスマンとして優秀でしたし、芸術思考も強く、アメリカのモダンファニチャーの発展に大きく貢献した人物です。


家具だけじゃなく、そのデザイナー、会社、創業者まで知っているぐらいが最もそのその製品を理解できると思います。

けど、そこまで知ろうとする人は珍しいですよね。

私はそんな人が増えるといいなと思ってお店をやってますけど。


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